「ほっ」と。キャンペーン

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2006.02.25(土)うす曇り カメノコテントウ、チャマダラキリガほか

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木柵上を歩いていた尺取虫。シャクガの幼虫は愛らしい顔をしているものが多い。

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尺取虫 その2

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尺取虫 その3


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ユスリカの一種を捕食中のウロコアシナガグモ。


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木柵下面に円網を張っていたヤマシロオニグモ茶色型?の幼体。


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「うわぁ~っ」という声が聞こえたような・・・交尾しているクロテンフユシャクの♂が宙に浮いた。もちろん飛翔しているわけではい。急に方向転換した♀に振り回される形になってしまったのだ。どこへ行くかは全て♀が決め、♂はただくっついているだけ。


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テントウムシのサイズ(LL)(M)(SS)。
中央がカメノコテントウで左がナミテントウ、右下のちっこい2匹はクロヒメテントウ。カメノコテントウは大きめの個体で、ナミテントウが小さめの個体なので違いが際立っている。クロヒメテントウは・・・平均的なミニサイズ。カメノコテントウ右上に見える緑色の点はヘラクヌギカメムシの1齢幼虫。

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木柵の杭にとまっていたチャマダラキリガ。個体変異が多く、画像の個体は斑紋くっきりタイプ。
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by kjr_shoji | 2006-02-25 22:07 | 観察日記

2006.02.22(水)曇り クロテンフユシャク、センショウグモ、アズマヒキガエルほか

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アズマヒキガエルの生殖活動が既に始まっている。あまり楽しそうにには見えないなぁ。


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シラカシの樹枝間に条網を張っていたオナガグモ。「し」の字型に見えるのはオナガグモの腹部で、腹部を自由に曲げることの出来るクモは極めて少ない。身体をピンと伸ばすとクモの糸に引っかかった松葉そっくりになる。


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2/11に私が切ったクサグモの卵のうは内側から新しい糸で補修されていた。


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すでに隠れ帯をつけているヨツデゴミグモの幼~亜成体。


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キンモクセイの葉上に円網を張っていたサツマノミダマシ?の幼体。


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クロテンフユシャクの♂。2月上旬まではウスバフユシャクが圧倒的に多かったが、中旬頃からクロテンフユシャクが見られ始めた。ウスバフユシャクによく似ているが、前翅外横線(外縁近くの黒褐色線)が前縁近くで「くの字」型に曲がっている。


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クロテンフユシャクの交尾。♂以上に♀はウスバフユシャクとそっくりで、♂が翅を立てているとどちらか判らない。ウスバと異なり、木柵上には殆ど見られない。


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木柵上を歩く尺取虫。


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木柵側面にいたセンショウグモ。腹部後方に1対の大きな突起がある。他のクモを襲って捕食する。


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家に帰ったら、マットレスの上にはシモングモ(上)、出窓傍ではアダンソンハエトリ(下)が出迎えてくれた。私の自宅には、ハエを捕らえてくれるハエトリグモを「ハエたたき」で潰そうとする恐るべき山の神!?が住んでいる。このクモ達は私がいなければ生きていけないのだ。
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by kjr_shoji | 2006-02-22 22:49 | 観察日記

2006.02.18(土)晴れ シモフリトゲエダシャク、ムラクモヒシガタグモほか

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日当たりのいい場所ではホトケノザが咲き始めた。花自体は小さく目立たないが、ラン科の花を思わせる洒落た形をしている。


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サンシュユの蕾。私の好きな花のひとつで、蕾の中には30個以上の小さな黄色い花が隠されている。


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シラカシの葉裏についていた、クサカゲロウの一種の繭。塵載せタイプの幼虫は外見を変化させないまま、中でこっそり繭を作る。


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園芸品種らしいサクラの枝に産み付けられた?の卵。


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水際の落葉下にいたサラグモの仲間たち。この手の小さなクモは背面写真ではもちろん、外雌器(生殖器)を写しても同定できないことが多い。去年「そのうち徹底的に調べよう」と考え、今でもそう「考えて」いるだけだ。


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木柵の下面にH型の網を張っていたムラクモヒシガタグモの♂幼~亜成体(腹面から撮影)。H型の簡素な網で効率的に獲物を捕らえる。


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このところのポカポカ陽気に誘われて気の早いヒキガエル(アズマヒキガエルだと思うが未確認)が数匹徘徊し始めていた。


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木柵にいたシモフリトゲエダシャクの♀(左)。体長約16㎜、平地で見られるフユシャク類では最大級の大きさ。右上の黒っぽいのはシロフフユエダシャクで、シロフの♀としては大きめの個体なのだが・・・。


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枝先にいたセマルトラフカニグモの♂亜成体。


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2月に入ってから、シロオビフユシャクが少し小さくなったような気がしてきた。メジャーを当てて測ったら・・・う~ん、クロバネフユシャクっぽいなぁ。
追記 : 【みんなで作る日本産蛾類図鑑V2】の掲示板にてクロバネフユシャクだと教えていただきました。
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by kjr_shoji | 2006-02-18 17:46 | 観察日記

2006.02.11(土)晴れ ハミスジエダシャク、クサグモ、ウシカメムシほか

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鎖上に伸びる小枝。ハミスジエダシャクに似た幼虫が、杭の間に張られたチェーンの上で身体を伸ばしていた。チェーンは錆付いていて、木肌と感触が似ているのだろう。歩脚を縮めてじっとしている姿は何か敬虔さの様なものを感じる。


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木壁にいたネコハグモ。先月は樹皮下で越冬しているのを見かけたが、そろそろ活動し始めるのかな。


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ユスリカの一種の♂。早朝に欄干や池岸のヤツデ葉裏などに群生していたが、昼近くになって数百匹レベルの蚊柱を何ヶ所かで形成した。昨日、今日と気温が高かったのでコカゲロウ・トビケラ類の羽化があるのではないかと期待したが見つけることはできなかった。ただ公衆トイレの高い位置に張られたオオヒメグモの網に、先月まではなかったキリウジガガンボらしきものがかかっていたので、一部の種はどこかで羽化していることだろう。


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コナラ枝間に不規則網を張るヒメグモの一種。撮影時はてっきりバラギヒメグモだと思っていたのだが、妙に歩脚が太い。アシブトヒメグモとも雰囲気は異なり、今ひとつはっきりしない。


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サクラ樹幹にあったシラホシコヤガ(多分)の繭。幼虫時代から自らの食物である地衣類を身体にまとっており、そのまま蛹化するようだ。周囲の色に合わせるのではなく、周囲のものを直接身につけるのだから当然目立たない。


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クロバネフユシャクの産卵。ウスバフユシャクは2、3列の卵塊を数ヶ所に分けて産み付けるが、本種は1ヵ所にまとめて産み付ける。♀の腹部は中身の殆どが卵であるため、産卵後の体長は産卵前のほぼ半分になってしまう。ウスバフユシャクの産卵後の体長は若干縮む程度で、腹部の横の縮みが大きくしょぼくれた感じになる。カムフラージュのためか両種とも尾毛の殆どをを卵塊上につけてしまうので、産卵前後では全く別種のように見える。


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まだまだ見られるウスバフユシャクの交尾。一般的にウスバフユシャクの成虫出現期は12月中旬から2月初旬で、東京では12月下旬が最盛期ということになっているが、石神井公園では1月中旬から下旬にかけてが最も多く見られ、2月中旬に入ってもまだ多数の個体が見られる。各地での本年度の傾向なのか、石神井公園特有の傾向なのかは判らない。


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木柵上を歩く尺取虫。1月にも緑色の尺取虫を見つけたが形状が異なり、エダシャク系の雰囲気だ。デジカメで動画撮影したのだがあまりにも歩行速度が遅く、巨大ファイルになってしまったため保存はあきらめた。


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クワの枝にぶら下がるクワコの繭。クワコは通常卵越冬だが、11月に羽化するはずのものが気温低下などの影響で羽化できず、そのまま越冬してしまう例もあるらしい。成虫出現期である6月まではかなり間があり、この繭が無事に羽化できるかどうかは微妙なところだ。
昨年クワコの成虫を見つけた別のクワの木はバッサリ伐られてしまった。かつては観察しやすい場所にアオバズクが営巣したアカマツは切株と化し、ヒメカマキリモドキが葉裏にとまり、その卵らしい柄の短い優曇華が見つかった水辺のクワの木も消え去った。西側斜面にひっそりと生えていたヒトリシズカは観察池の花壇みたいな場所に移植され、名前のような趣きを失っている。餌付けされたカワセミを撮影するカメラマンの要望?のためゴイシシジミが繁殖したササの上部が刈られ、2004年には産室を作り繁殖が期待された(期待していたのは私一人だと思うが・・・)ヤマトコマチグモは数日で草刈に遭い、その後は全く見られない。プールそばのクズにはカンタンの声が聞かれたのだが、クズは秋口に一気に刈り取られてしまうので殆ど繁殖できない。昨年は公園そばの空き地で少数の声が聞かれただけで、草地の連続性のない石神井公園では絶滅は時間の問題かもしれない。小さな生き物たちがどこにどうやって生息しているかを知らずして『自然』を守ることなど出来はしない。公園を管理する側にして見れば諸事情があるのだろうが、『自然豊かな公園』を謳うのであればもう少し考えてもらいたいものだ。『自然』と『危険』は切り離せない。無闇に人を集めようとすれば『安心・安全』に対して必要以上の気を使い、必然的にそこの『自然』は見た目ばかりの『薄っぺら』なものになってゆく。『自然』の中の『危険』に対しては『知恵』を持って対処し付き合っていくのが大切であり、手放しの『安心・安全』などは人間を『薄っぺら』にするだけの・・・愚痴が多くなってしまった。『安心・安全』は建造物を構築するときにこそ最も配慮すべきものです。


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植え込みの中にあったクサグモの卵のう。作りたての卵のうは純白の多面体で美しいが、冬を越すころには枯葉や小枝、木の実などが付着しゴミの塊となる。当然目立たなくなるので、これは想定の範囲内というところか。卵のうの端をちょっとカットしてみる(下の画像)。卵のうは極めて丈夫にできており、中の子グモを潰さずに手で引きちぎるのは無理。切った途端に身体の赤い2齢幼体が活動期と変わらぬ速さで飛び出してきた。活動能力が鈍くなっているのならともかく、通常の活動能力を持ったまま狭い卵のう内でひしめき合っているのはどんな気分なのだろう。クサグモの出嚢期は3月下旬で、穴の開いた卵のうは子グモたちによって即座に補修される。


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木柵の下面にあった蛾?の繭。周囲には不規則網のような糸が張られているが、クモの糸とは雰囲気が異なり、繭の主が張り巡らしたようだ。
追記:主にオオヒメグモに寄生するマダラコブクモヒメバチの繭のようだ。


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木柵上を歩いていたヨコヅナサシガメ終齢幼虫。そろそろ活動し始めるのか、集団越冬群から零れ落ちてしまっただけなのかは判らない。成虫への脱皮はちょうどGWの頃になる。


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アラカシの芽の脇にいたヨコバイの一種。新芽に擬態しているような色合いだが、見ているほうが勝手にそう思うだけか。


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アラカシの新芽脇にいたカイガラムシの一種。白黒のツートンカラーがいい感じ。右の個体は粉を吹いているようだ。


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アラカシの葉裏にいたクリオオアブラムシ? 一頭だけポツンとくっついていた。クリオオアブラムシはクリ属だけでなくコナラ属にもつくが、成虫出現期が4月~晩秋なので、クリオオアブラムシだとしたら新成虫ではなく昨年の生き残りということになる。厳冬期を単独で耐え抜いたのだろうか。


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ケヤキ樹皮下にいたオオハエトリの♂。別にファイティングポーズをとっている訳ではない。顔の前に構えているのはグローブではなく触肢なのだ。同属のヨダンハエトリの♂も巨大な触肢を持っているが、この巨大な触肢が何の役に立つのかとなると ? である。触肢の先端を♀の外雌器に挿入する生殖活動においても、捕食時においてもかなり邪魔になるような気がするのだが。強いて理由を挙げれば♀を巡っての♂同士の闘争に役立てるということか。とすれば、案外見た目どおりのファイティングポーズということになるのかも知れない。


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木柵上を歩いていたウシカメムシ。名前の通り牛面系だが、終齢幼虫は仮面のような人面系の外観を持つ。ホストはアセビ、サクラ、ミカン、フジなど結構範囲が広いのだが、食餌植物から吸汁するだけでは成虫にはなれない。他のカメムシやセミの卵から吸汁しないと終齢より先に進めないというのだ。蚊や虻が産卵するときに動物の血が必要になる仕組みに似ているが、終齢幼虫になったからといって死に物狂いで他の卵を探し回るということでもない。卵からの吸汁は幼虫のどのステージでもよく、野外ではごく自然の流れとして卵吸汁が行われるようだ。
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by kjr_shoji | 2006-02-11 22:54 | 観察日記

クロバネフユシャク

シロオビフユシャクから訂正:シロオビフユシャクとして掲載した画像は全てクロバネフユシャクだったようです。


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灯火に飛来したクロバネフユシャクの♂。


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地表にいた羽化中の♂。撮影は9:12AMで、羽化時間は特に決まっているわけではないが日中が多いようだ。夕方、ヨレヨレの翅の個体がクヌギ樹幹を登っていたのを見たこともある。


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木柵上にいたクロバネフユシャクの♀。ウスバフユシャクより体格が良く、尾毛の先端は下向きにならない。尾毛には黒色毛が混じる。


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産卵後の♀。体長は産卵前のほぼ半分で別種のように見える。これは産卵数の多さによるもの(多分)で、『産卵後は小さくなってしまう』のではなく『産卵前は腹部が肥大化している』という表現のほうが妥当かも知れない。


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コーリングを行うクロバネフユシャクのフェロモン嚢(のう)。先端が内側にのめり込むような構造になっているようだ。ウスバフユシャクのそれより突出しており形状も異なる。コーリングの姿勢も腹端を軽く持ち上げる程度で、ウスバフユシャクほど大きく突き上げない。


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クロバネフユシャクの交尾。ウスバフユシャクのように♂が翅を立てているところは見たことがない。観察例が少ないので何ともいえないが、一ヶ所にじっとしていることが多いようだ。ただし交尾開始時間が遅く(発見したのはすべて20:00以降)、深夜近くに活発に移動するのかもしれない。


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クロバネフユシャクの卵塊。上の画像はいくつか見つけた中で最も大きいもの。全体が隙間なく漆喰のような物(分泌液と尾毛を練り合わせたような感じ)で覆われている。下の画像は卵塊表面の漆喰状のものを削り取ったところ。卵はやや緑がかった乳白色、卵数は120~150個近くありそうだ。もっとも小さな卵塊でも卵数は60個を超えていた。産卵現場、および産卵しそうな雰囲気の♀は一度も見かけたことはなく、交尾後(または交尾中)の産卵場所への移動・産卵は深夜に行われるようだ。


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クロバネフユシャクの産卵。ウスバフユシャクは2、3列の卵塊を数ヶ所に分けて産み付けるが、本種は1ヵ所にまとめて産み付ける。直線状に生み付け始め、その周囲を回るようにして生み続けるようだ。ずっと回っているのではなく、時折卵塊を乗り越え反対側に移動する。19:30頃発見し、21:00頃まで観察したが産卵行動は終了しなかった。翌朝8:00頃見に行ったら同じ場所に留まっており、卵塊も殆ど拡張されてはいなかった。尾毛もある程度残っており、小さめの卵塊を他に作るのかもしれない。
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by kjr_shoji | 2006-02-10 05:55 | チョウ目

ウスバフユシャク

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ウスバフユシャクの♂。前翅の内横線(翅の付け根側の線)がほぼ直角に曲がり、外横線(外縁側の線)は緩やかなカーブを描く。よく似たクロテンフユシャクは色が淡いが両種とも個体変異が多く、主に外横線と内横線で判別する。褐色斑の大小は識別点にならない。石神井公園ではクロテンフユシャクは確認できていない。

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腹部後方を持ち上げ、橙黄色のフェロモン嚢(のう)を露出してコーリング(フェロモンを散布し♂を惹き寄せる)を行う♀。シロフフユエダシャクはライトを当てるとすぐにフェロモン嚢を引っ込めてしまうが、本種は結構無頓着だ。鼻を近づけてみたがフェロモンの匂いは感じられず、残念なことに?その気にはならなかった。
・・・待てよ。蛾の専門家ならいざ知らず、素人が北風吹きすさぶ真冬の夜に観察を続けるなんて正気の沙汰ではない。フユシャクのフェロモンに少なからず反応してしまったのか・・・


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交尾はサクラやクヌギなどの幹よりも木柵上のほうが圧倒的に多く見られる。1月半ばには18:00~20:00の間に40組以上の交尾が見られた日もある。
木柵は高さ60cm前後で二段になっており長く続いている。高さ30㎝前後の一段目には殆ど見られず、フェロモンを散布するためには二段目の高さがちょうどいいのかもしれない。木柵内にはサクラ、クヌギがあり、下草はアズマネザサになっている。
日没後♀は木柵上、アズマネザサや枯れ草の茎、サクラのひこばえ枝などでコーリングを行い、♂はその近辺を翔び回る。飛翔高度は殆どの場合地上1m以下。♀のフェロモンは大まかな位置を知らせるだけらしく、♂は狂ったように飛び回り、見当違いのところにとまっては羽ばたき歩行を行う。そして♀がいなければまた翔び回る、という行動を繰り返す。♀を探り当てると上から覆いかぶさり、腹部を斜めに曲げ自分の生殖器を♀の生殖器口にねじ込む。樹幹で交尾したペアは♀主導でひたすら上に向かって歩き続ける。少なくとも高さ5m以上に登り、その先は見失ってしまう。樹冠近くの枝に産卵するようだ。
『冬尺蛾』(中島秀雄 1986 築地書館)によると、樹冠近くまで登ったペアは再び根元近くに戻ってくるという。交尾して暫くは樹冠近くのほうが安全だという認識があるのか、移動(歩行)自体に意味があるのか。木柵上のペアは右に左に歩き回るが、木柵を下りてホストの樹木に向かう様子はない。歩行自体に意味があるとすれば、木柵上を移動し続けることは無駄な行動ではなくなる。


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ライトを当て続けると♂は♀を翅で覆い隠す。なかなかのナイトぶりだ。


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サクラのひこばえの枝(拡大解釈で根元付近から伸びた枝とする)で交尾するペア(上)と、サクラ樹幹をひたすら這い上がるペア(下)。これらが本来の姿なのだろう。


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薄羽ならぬ花羽フユシャク !? 羽化に失敗したのか、♂の翅が丸まって花状を呈している。これでは当然翔べるはずもなく、歩行だけで♀に辿り着いたのだろう。単に運がよかったのか、凄まじい執念の成せる業か。


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シロフフユエダシャク(右)のペアと徒競走。シロフフユエダシャクは歩行速度が速く、クロスしてウスバフユシャクの上を乗り越えていった。通常の歩行では♂は♀に合わせ後ろ向きに脚を動かす。しかし歩行速度が上がると殆ど引きずられる格好になる。振り回される♂たちにはつい同情の念を持ってしまう。


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木柵上に産卵する♀。背を丸め、腹端を木柵面に押し当てている。一般的にはフユシャクの♀は樹冠近くの枝に産卵することになっている。が、ここの♀は樹木に移動しようとはせず近場に産卵している。下草があり、落葉がある環境下においては「孵化した幼虫がホストへ移動する」という選択肢があるのだろうか。

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卵と一緒に粘着力のある体液が排出される。卵はその体液の粘着力で木柵面に固定され、尾毛が卵を覆うように付着してゆく。粘液は褐色味を帯び、乾いて陽に当たると金色に輝いて見える。産卵を終えた♀は尾毛が殆どなくなり、腹部もみすぼらしくなり別種のように見える。
注). 観察された様子から個人的に推測したもので、学術的根拠はありません。


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産み付けられた卵塊。卵自体は淡暗緑色をしている。卵数は10~20個程度だが、5~6個のものや30個を超えるものもある。


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メガネヤチグモの幼体に捕われた♀(上)と、季節外れのコクサグモに捕食される♀(下)。フユシャクの成虫が冬に現れるのは捕食者や寄生蜂などから逃れるためのようだが、翅を失くした身では捕食者が耐寒性を持っている場合ひとたまりもない。
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by kjr_shoji | 2006-02-06 21:19 | チョウ目

2006.02.05(日)晴れ マンサク ホソミオツネントンボ ヤマトクサカゲロウほか

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マンサクの花が咲いた。黄色の折り畳まれたような花弁は早春のシンボルだ。マンサクは何本か生えているが、この樹は毎年真っ先に花をつける。


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半開きのオオイヌノフグリ。暫くすると見向きもされなくなる花だが、今の季節は一株咲いているだけで嬉しくなる。
さて、マンサク、オオイヌノフグリときたら・・・
クヌギカメムシの孵化が間もないということだ。


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コナラに生むつけられたヘラクヌギカメムシの卵塊。3本1組の白いちょび髭は『受精孔突起』で、詳しくは知らないが孵化した一齢幼虫が気道を確保するためのものらしい。孵化日にはかなりバラつきが見られる。


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コヤガの一種? ミノムシに似たケースに入った幼虫が木柵上を歩いていた。


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ウスバフユシャクの♀を捕らえたエビグモの幼体。暫く見ていたらウスバフユシャクはエビグモを振り払ってトコトコ歩き出した。どうも咬み付く位置が悪かったらしい。フユシャクは柔らかそうに見えるが、身体中が鱗片に覆われ鎧状になっている。小型のクモでは牙が刺さらないのだろうか。


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コナラの枝にいる(画像中央)コミミズクの幼虫。注意深く見ないと見つからない。


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サクラの枝にいる(画像中央)マネキグモ。通常は枝の先端近くに条網を張り、折れた小枝のふりをしている。


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枯れ枝にとまるホソミオツネントンボ。昨年末くらいまでは数個体見られたのだが、今年に入って全く見られなかった。どこに行ったのか憶測が飛び交ったが、いくつかの個体は残っているようだ。見つける前にうっかり触ってしまったのだが『自分は枝だ』と信念を持っているらしく身動きしなかった。
胸部背面は銅版のように見える。角度を変えて何枚も写していたら、さすがに嫌気がさしたのか高所に移動してしまった。   関連記事


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ヤツデの葉裏で越冬していたアリグモの幼体。アリグモも数種類あって、その区別は簡単そうで結構難しい(特に幼体)。画像はアリグモの赤褐色型。


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葉裏についた枯葉の中にいたヤマトクサカゲロウ。石神井公園にいるクサカゲロウ類で確実に同定できているのは本種を始め、ヨツボシクサカゲロウ、アミメクサカゲロウ、カオマダラクサカゲロウの4種。そのほか私が写した不明瞭な写真と卵・幼虫から判断してほぼ間違いなくいるだろうと思われるのがスズキクサカゲロウ、フタモンクサカゲロウ(またはクロスジフタモンクサカゲロウ)、シロスジクサカゲロウの3種で、もしかしたら10種くらいいるかもしれない。ちなみに種名としてのクサカゲロウ Chrysopa intima は石神井公園では見つかっていない。


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サワラ樹皮下にいたヨツボシオオアリ。腹部の斑点が目立つアリだが、樹木中心に活動するため見かけることは少ない。


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サワラ樹皮下にいたニホンヤモリ。日本動物大百科5に『日本では九州西部を除き野外での越冬はできない。民家などの建造物で越冬する』という内容の記述があったと思う。が、私はサワラ樹皮下で越冬するニホンヤモリを毎年見ている。


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ケヤキ樹皮下にいたノミハムシの一種。顔を持ち上げようと小枝で触れたら、ピョンと跳んで逃げてしまった。


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ケヤキ樹皮下にいた甲虫の一種。「甲虫の一種」などと表現するのは情けない話だが、調べるのは大変なのだ。


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ヤツデ葉裏のヤツデキジラミ。腹部に卵のようなものがついている。


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シラカシ樹幹にとまる蛾の一種。ヤガ科ヨトウガ亜科あたりかな。


その他
ウスバフユシャクは木柵のあちこちに産卵している。シロフフユエダシャクの個体数が増えた。
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by kjr_shoji | 2006-02-05 18:51 | 観察日記