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2006.01.08-09(日、月) 晴れ 越冬するクモと昆虫3

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ヤツデの葉裏にいたヤツデキジラミ。中胸楯板の縦じま模様と前翅後縁(背面中央付近)の黒褐色斑が特徴。ヤツデと一緒に北アメリカから渡って来たらしい。カメムシ目だから当然かもしれないがセミによく似ている。

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卵のう(卵嚢)内のオニグモ幼体。孵化は昨年晩夏~秋に済んでおり、幼体で卵のうに留まったまま越冬する。他の卵のうでは既に空になっているものもあり、この子グモたちもそろそろ旅立ちの日を迎えそうだ。実際に網が張られるのは2月下旬頃からで、それまでどこにいるのやら。

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立ち枯れしたエノキ樹皮下にいたアメイロホソゴミムシダマシ。体長約3㎜、エノキには曲線迷路型の食痕が見られ、越冬というより通年活動しているようだ。撮影しているときはてっきりキクイムシの仲間だと思っていた。この手のミニ甲虫は、触角、頭部、前胸背板の形・凹凸、上翅の間室・点刻、脚の刺などが明確に判るようにしないと、図鑑との『にらめっこ』で終わってしまう。

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ケヤキ樹皮下で越冬していたアオツヤキノコゴミムシダマシ。体長5㎜前後で♂の複眼間には角状突起が平行に並ぶ。ゴミムシダマシ類(通称ゴミダマ)は似た種が多く、背面写真だけでは特定できない場合が多い。活動期にはキノコに集まる。

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ヤツデの葉にいたカオマダラクサカゲロウ。顔面に『人』文字型の黒褐色紋があり、小腮鬚(しょうさいしゅ=口ひげ)は暗褐色、各節端に淡色部がある。石神井公園で真冬に見られる緑色のクサカゲロウ類は大概本種で、暖かい日には飛翔する姿も見受けられる。

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ヤツデの葉裏にいたアカヒメヨコバイ(左)とクロスジホソサジヨコバイ♀(右)。ヤツデのほか照葉樹各種の葉裏には、春~秋には気づかなかった小さなヨコバイ類を多数見つけることが出来る。

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ケヤキ樹皮下にいたマダラマルハヒロズコガの幼虫。通称ツヅミミノムシ。ケースは偏平な8の字型の2枚袷。糸で綴ってあるだけなので幼虫はどこからでも顔を出せる。食性ははっきりしないが樹皮、朽木、地衣類、微小昆虫などを食べているらしい。ミノムシ類と違って成虫♀も通常の蛾。

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ヤツデの葉裏にいたヒメグモ幼体。体は黄~橙色で脚が黒いのが特徴。

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ヤツデの葉裏にいたカンキツヒメヨコバイ。アカヒメヨコバイに色合いが似るがやや大きく、体型も太め。主にミカン類を食害する。

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ヤツデの葉裏にいたヒメヨコバイの一種(ハンノヒメヨコバイ?)。緑だの黄色だのきれいな種が見られるが、同定が難しく未記載種も多い。

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ヤツデの葉裏にいたカグヤヒメグモ幼体。体色変異が多いが腹背の斜状斑に特徴がある。よく似た同属のオオヒメグモは家屋などの人造物に依存して造網するため真冬でもよく見られるが、本種は樹枝間などに造網する習性のため冬は滅多に見られない。

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ヤツデの葉裏にいたアズチグモ♀。越冬する成体は初めて見た。頭胸部眼域は赤褐色の逆台形になっていて他種と見間違うことはない。正常型は体に斑紋がないが、石神井公園では斑紋型のほうがよく見られるような気がする。

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ヤツデの葉裏にいたヤマトクサカゲロウ。本種の越冬型は通常全身が橙黄色になるため、緑色のまま越冬するスズキクサカゲロウかと思っていた。しかし念のため撮っておいた顔面の写真を見たら、小腮鬚が淡色で頭楯両脇の褐色部が複眼に接している。また前頭の盛り上がりも見られ、ヤマトクサカゲロウの外見的特徴をほとんど備えている。昨年12月後半に見かけたヤマトクサカゲロウはすべて橙黄色だった。この個体は始めから変色しなかったのか、早期に元の色に戻り始めたのかは判らない。何にでも『絶対』ということはないだろう。

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ヤツデの葉裏にいたヤマシロヒメヨコバイ。乳白色の地に橙色の斑紋がある美しいヨコバイ。斑紋の大きさなどには変異があるが、同配色のチマダラヒメヨコバイとはパターンが異なる。

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ヤツデの葉に条網を張っていたマネキグモ。長く太い第1脚を屈伸しながら移動する様が、人を手招きしているように見えるところからこの名がある。枝葉間でピンと身体を伸ばすと小枝がぶら下がっているように見える。


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ケヤキ樹皮下にいたヒシモンナガタマムシ。同定の難しいナガタマムシ類の中では最も判りやすい斑紋を持つ。見た目よりすばしっこく動き回り、よく翔ぶ。

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ケヤキの根元にいたアカスジキンカメムシ終齢幼虫。背面の白色部分がブリーフの形に似ているためか、石神井公園の子供たちからは『パンツ虫』と呼ばれている。一般的には白黒模様から『パンダ虫』と呼ばれることが多いようだが、私個人としては『大笑い虫』と呼んでいる。

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トウカエデの樹皮下にいたネコハグモ。夏から秋に葉を軽く巻いてテント状の網を張っているのはこのクモ。葉に造る網はこじんまりとしているが、サワラ樹皮下などに造るときは大きな受信網を張り巡らす。

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ケヤキ樹皮下で越冬するナカボシカメムシ。越冬体はよく見るが、活動期にはたまにしか見られない。どうも樹冠近くに生息しているようだ。

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ケヤキ樹皮下にいたコカニグモ。ペシャンコなのは本来の体型で、狭い所でつぶれてしまった訳ではない。活動期も樹皮上を徘徊し、危険を感じるとすぐに樹皮下に逃げ込む。

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コカニグモと一緒にいたクモの幼体。体長1.5mm前後。腹背後方が盛り上がり、段々畑のようになっている。春~秋にこの近辺にいたクモの幼体で当てはまりそうなものがない。コカニグモの幼体だろうか?。盛り上がった腹部がだんたんと偏平になり、色も黒っぽく変わっていくのだろうか?。
by kjr_shoji | 2006-01-09 20:47 | 観察日記
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